光学系における非線形現象

光双安定系などの非線形な光学システムや電子回路を用いて、確率共鳴などの非線形現象の研究を行っています。

確率共鳴
だれかと話をしているとき、ふつうは、ノイズがあると相手の声が聞きづらくなります。ところが、確率共鳴が起こるような場合は、ノイズがあった方が、相手の声が聞き取りやすくなります。

一見すると奇妙な現象ですが、1980年代初頭に氷河期の周期の研究において提案されて以来、物理から生物、工学に至るまで、幅広い分野でこの現象が見いだされ、研究が行われてきました。

図1の上の段は通常の場合です。左端の画像にはノイズがなく、画像が鮮明に見えています。右に行くにつれてノイズが強くなると、それに従って、画像が見にくくなっていきます。ところが下の段では、ノイズがないときは全く画像が見えないのに、ノイズを加えていくと次第に画像が鮮明になっていきます。そして、さらにノイズを増やすと、ふたたび画像が見にくくなります。

これは、双安定系や興奮系などの非線形システムにおいて普遍的に見られる現象で、けっして珍しいものではありません。

図1 確率共鳴を利用した画像データ伝送

当研究室では、このような非線形システムのフィードバックによる制御、論理素子としてみたときのノイズの影響、多数接続したときの時空間パターンなどについて、光双安定系や非線形な電子回路を利用した研究を行っています。

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