実験装置について

電子スピン共鳴測定装置(ESR)

左の写真は、電子スピン共鳴装置といって、磁場の中に置かれたミクロな磁石(磁気モーメント)がコマの才差運動(ごま摺り運動)をする様子を動的に捉えることができます。この運動の回転数は数1000ガウスの磁場に対しては、マイクロ波の領域になります。物性研究では、このようなダイナミクス(動的な振舞い)を調べることが最近特に重要になってきています。


振動試料型磁化率測定装置(VSM)

振動試料型磁化率測定装置は簡単に言えば、物質がどれくらい磁石っぽくなっているか(磁化率)を測定する装置です。みなさんはフレミングの法則を覚えてらっしゃいますか?磁場中で導線を磁場に対して垂直に動かすと、導線に誘導電流が流れるというものです。この磁化率測定装置は磁場に対して試料を垂直方向に振動させ、その時に流れる誘導電流を見ることで磁化率を測定します。


走査型電子顕微鏡(SEM)

電子顕微鏡は光の代わりに電子線を使って拡大像を得る装置です。電子波は光よりも波長が小さいので、光学顕微鏡(小中学校などで使う普通の顕微鏡)よりも高倍率(10万倍くらい楽勝です。)で見ることが出来ます。

電子顕微鏡にも種類があり、透過型電子顕微鏡、走査型電子顕微鏡などがあります。走査型電子顕微鏡は電子線探針で試料表面を走査し、試料表面からの電子の強弱を探針で拾い、ブラウン管で像を観察します。


熱分析装置

2つの等価な容器と熱電対のそれぞれに、測定試料と参照試料を乗せ、両者の熱的な振舞いの差による温度差を電気信号として取り出し、測定試料の融解や結晶化の挙動を調べることができます。また、熱重量測定を同時に行うことができ、脱離ガスの量を計測することによって、試料中の酸素量や含水量を評価することができます。