--- 研究室紹介 ---

 自然界には実に多様な物質が存在し、私たちはその多種多様な性質(電気の流れ易さや光に対する透明度など)を利用することで(物質的に)豊かな生活を営んでいます。では物質の性質(物性)を決定している要素はなんでしょうか。そして我々はそれを制御できるのでしょうか。この疑問・興味が我々の研究の原点です。
 物質は例外なく原子の凝集体ですから、その物性(電気伝導や光学特性など)を理解し、制御するためには、構成要素である原子或いは分子のレベルからその物質を理解する必要があります。しかし、個々の原子・分子の性質が分かっただけでは物性を理解することはできません。例えば、電気伝導性の違いから、鉄や銅は金属、シリコンやゲルマニウムは半導体、二酸化ケイ素は絶縁体に分類することができます。では構成元素が違うにもかかわらず、なぜ鉄や銅は同じような電気伝導性を示すのでしょうか。金属、半導体及び絶縁体の違いはどこにあるのでしょうか。これらの疑問に答えるためには、構成元素を知るだけでなく、固体中での原子の結合性や配列・周期性を考慮して電子の振る舞いを考える必要があります。

 当研究室では、まさにこの点に着目して、物質内部の構造(原子配列,周期性,電子状態等)と物性とがどのように相関しているのかを明らかにしようと研究に取り組んでいます。また今日では、”原子レベルで物質の構造を制御する”ことにより、”物質の機能を制御する”研究が世界中で盛んに行われています。我々は最先端のエレクトロニクス材料を対象とすることにより、物性の基礎研究のみならず、新しい技術の開発にも貢献したいと考えています。半導体エレクトロニクス研究開発の最先端では、基礎科学と応用物理に境界がないことが実感できます。また,共同研究や共同利用施設(高エネルギー加速器研究機構やSPring8)での実験研究を通して、絶えず刺激を受けながら研究を進めています。

シリコン結晶構造


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最近の研究から


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