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研究概要


数ナノメートルサイズのナノ粒子では,有限サイズ効果や表面効果のためにバルクサイズの結晶と異なる電子状態や物性および結晶構造が出現する.
ナノメートルスケールまで物質が小さくなると,粒子全体に対する表面の割合がとても大きくなるため表面の影響を無視することができなくなり,特に磁性体においては系全体の物性において表面の状態が大きく影響を及ぼすことになる.
その興味深い物性と結晶構造を磁気測定や磁気共鳴測定,X線結晶構造解析,光学測定,電子顕微鏡観察などにより明らかにすることを目的に研究を進めている.


ナノ粒子の合成

ナノ粒子サイズの均一化と各粒子の凝集を防ぐために,数ナノメートルの細孔を持ち細孔径分布が小さいメソ多孔体の細孔を鋳型として用い,ナノ粒子を細孔中で合成している.
数ナノメートルサイズの試験管の中でナノ粒子を合成すると考えるとわかりやすい(図1参照).
本研究では,3〜30 nm程度の1次元細孔を持つSBA-15(図1(a))を用いている.
合成したナノ粒子は1次元細孔中で整列している.


    
   (a) SBA-15            (b) SBA-15の細孔中のナノ粒子(赤丸)  
      図1 メソ多孔体SBA-15細孔中のナノ粒子の概略図



ナノ粒子内包薄膜の作製

フェロイック物質などのナノ粒子は機能性材料としてデバイスへの応用など多くの可能性をもつ.
基板上にサイズ制御したナノ粒子を作製・整列させることでデバイス等への応用が期待されるために,基板上に作製したメソ多孔体薄膜の細孔中でナノ粒子を合成している.



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