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"エクセター生活情報"は、エクセターで生活したときの覚書きです。

渡航準備編

イギリスのビザ取得

 イギリスでの1年間の在外研究のために大部分の人が取得するビザは、Academic visitorビザだと思います。イギリスのAcademic visitorビザはVisitorビザの特殊(通常6カ月までのVisitorビザを1年にできる特別措置)な場合ということで、きちんと手続きに必要なものが明示されていません。また、年々少しずつ制度が変わっていくようで、ひと昔の情報がそのまま使えるとも限りません。東京(もしくは大阪)でしか申請できないので、不備による家族全員での遠方からの出直しは避けたく、うちは申請代行業者にお願いしました。一度分かってしまえば自分でもできそうですが、文書の英訳(業者の証明書が必要)もまとめてお願いできたので、結果的には利用してまあよかったのではと思います。

 以下、知っておくと役に立ちそうなTipsです。

申請日について
 申請は、ビザ有効開始日3か月前からとなっています。「申請に行く予約をした日」が申請日になります。「申請に行く日」が申請日ではないことに注意してください。3か月前に入ってすぐに申請に行くために、3か月前に入る前に予約してしまうと、予約日が申請日とみなされ、予約日から3か月後が一番遅いビザの有効開始日になってしまいます。つまり9/1から渡航の予定で、6/3に申請に行きたいから5/24に予約を入れたら、ビザの有効期間はその3か月後の8/24からにされてしまいます。また、Academic visitorは1年まで(9/1開始だと翌年9/1まで)しか出ず、延長もできません。うちは、このために、飛行機やホテル等いろいろ予定変更することになってしまいました。住居探しや小学校のことを考えると、結果的には早めになってよかったともいえますが。。。ちなみに、優先ビザサービスをつけなくても、意外に早くビザはとれました(6月初旬で10日程度)ので、しっかり3か月以内に入ってから予約しましょう。
 (これぐらいは業者もちゃんと把握しておいてほしかったです。HPをググると以前からこの問題はあったようで、結局改善されていないようです。ビザセンターの人も、その場で気が付いて修正してもらいたいものです。何のために航空券や宿泊予約まで出させるでしょう?しかし、修正可能か問い合わせた時には、ビザセンターの受付の方はこのことを把握していなかったみたいで、わざわざマニラまで問い合わせてくれたみたいです。。。ちなみに修正するには初めから取り直すしかないそうです。)

VIPプレミアムラウンジサービス
 東京のイギリスビザ申請センターを利用しました。VIPプレミアムラウンジサービスはおすすめです。混んでいると本当に待ち時間が長いようで、その日の受付の人曰く、予約していなかったら帰りの飛行機に乗り損ねたかもね、という感じでした。郵送返却やSMS通知も含まれており、特に遠方の人は追加料金の価値はあります。

書類の有効期限
 日本の大学からの英文給与証明や英文出張証明等の申請書類の有効期限は、申請日から遡り1カ月以内ですので、早く用意しすぎてもだめです。一方、現地大学の招待状等は、古すぎなければ大丈夫そうです(どの程度まで大丈夫か未確認。半年ぐらい前までが無難なところでしょうか)。
 イギリスのビザは申請センターで写真を撮りますので、ビザ用写真の用意は不要です。

「1年以上」の定義
 在外研究に関していろいろなところに出てくる「1年以上」の国外滞在の定義です。
 調べた内容は、税金の取り扱いのページにまとめました。以下、ヨーロッパ方面に在外研究にいく場合について、ざっくりと説明します。
 出国する日はまだ日本にいるとみなされます。次の日から海外です。9/1出国でその日のうちに海外に着いてもこの日は海外滞在期間に含まれません。したがって、9/2から翌年9/1までの海外滞在でちょうど1年(365日)滞在となります。ヨーロッパ方面の場合、9/1に日本を出発し、翌年9/1に帰国便に乗れば9/2に日本着(この日は日本居住とみなさない)となり、これで「1年(以上)海外にいた」、日本からみて言い換えると「1年と1日(以上)出国していた」ことになります。つまり、日本を出た日と同じ日付の翌年の飛行機に乗って帰るとOKということですね。
 JALの日付変更可能な往復航空券の最長期限は1年で、9/1に日本出発だと、最長で翌年9/1現地出発の飛行機が使えます。(予約時は1年後の予約はできないので、帰りは適当に予約しておいて後で変更します。)片道だけでも往復と同じぐらい料金がかかりますので、この往復券が使えるのは大きいです。

現地通貨の調達準備

日本で用意しておいたもの
  SBIネット銀行 Debit card(Visaデビット付きキャッシュカード)
  マネパカード (マネーパートナーズ関連のカード)
  プレスティア(SMBC信託銀行)口座

SBI銀行
 SBI銀行は大手のネット銀行です。SBI銀行のDebit cardは、世界で使えて即時決済(使い方はクレジットカードと同じ)、ATMでの現地通貨の引き出しなどができるため、いざというときにとても役に立ちます。使うとすぐに連絡メールが来るので安心ですし、賃貸契約の時にも活躍しました。(賃貸契約ではかなりの額になりますので、限度額引き上げをお忘れなく!)

 他のdebitカードについては、こちらのサイトが参考になるかもしれません。(外部サイト)
 Visaデビットカードの年会費・手数料・ポイント還元率を徹底比較してみました

マネパカード(追記:数年前に制度が改悪されたようです。今はおすすめしません@2023)
 マネパカードは、マネーパートナーズのカードです。マネーパートナーズでは両替のレートがとてもよく、それをカードにチャージしてATM で引き出したり、買い物に使ったりできます。各種銀行からのマネーパートナーズへの振込(入金)は、FX口座を開設すれば手数料無料です(FXはしなくてもOK)。現地ATMでの引き出しは、少し手数料(£1.5)を取られますが、ATMの上限いっぱい(大学のATMで£800)引き出すとかなり効率よく資金を動かせます。初めのうちは引き出しては、こちらの銀行口座に移していました。

プレスティア SMBC信託銀行
 プレスティアは昔のシティバンクから名前が変わったもので、海外送金に強い銀行です。大きな額を動かしておく際は、マネーパートナーズで両替したものをプレスティア銀行口座を経由して、こちらの銀行に送金しました。送金指示から1日で反映されました。(マネーパートナーズからプレスティアへの出金のほうが時間がかかる。)200万通貨以上なら、マネーパートナーズからの出金手数料もかからず、相対的な手数料もかなり安く済みます(昔は少額でも手数料がかからなかったらしい)が、現在は少額ならプレスティアで直接両替の方が良いかもしれません。プレスティアの送金手数料を安くするには、口座にある程度以上の預金が必要です。
 あとは、TOKEN(ワンタイムパスワード)もいざという時のためにもらっておきましょう。これがあると、あらかじめ登録していない海外送金先にも、海外送金できます。国内向けサービスのようですが海外でも使えるようです。(結局自分の銀行口座にしか送金していないで、実際使えるかどうかは未確認。)
 キャッシュカードは国際キャッシュカードとして使えるようなので、いざというとき現地通貨で引き出せます。

その他
 日本の都市銀行は、銀行から日本の自宅への郵便物(転送不可)が届かないと、銀行窓口での本人確認が必要になり、ネットバンキングでの振り込み等が凍結されてしまいます。銀行曰く、日本在住者へのサービスのため、海外からの利用は想定しておらず、日本の窓口に来てもらわないと凍結解除はできないとのことでした。半年ぐらいたってから、クレジットカードの更新が送られてきたらしいのですが受け取れず、口座が凍結されて資金が突然動かせなくなり、これは本当に困りました。ある程度の資金をこちらに移した後だったので、あとは親類に追加資金をSBI銀行に振り込んでもらいなんとかしのぎました。

追記
 2018年1月より、「ゆうちょダイレクト国際送金」というのができるようになったようです。送金手数料も安く(上乗せレートは2%らしいです。悪くはないですね。)、これが始まっていたらたぶん準備していったと思います。また楽天銀行も海外送金できるらしいです。いずれにしても、いざというときのためにいくつかバックアップは準備しておいた方がよいでしょう。

現地での現金両替
 現地で現金を両替する場合については、アルノさんのブログがありますので、ご参考までに。
  【両替1】両替店の探し方
  【両替2】SELLとBUYの見方

海外駐在保険

 長期海外出張には、やはり保険は欠かせません。子供がいる場合は、いつ病院にお世話になるか気が気ではないのでなおさらです。イギリスにはNHSという医療サービスがあり、昔は誰でも無料でしたが、今はビザ申請時に保険料が必要です。しかし、Acadmic visitorビザはあくまでもビジターの延長で、保険料は必要ない代わりに、原則使うことはできません。(いざというときのために登録は試してみました。登録は可能でしたが、使う場合はたぶん保険料が別途必要です。)
 ですので、病気になった時にはプライベート病院にかかって、日本でかけた保険で賄うということになります。そこで海外駐在保険の出番です。この手の保険はAIG損保(旧AIU)の駐在保険が有名です。ただの海外旅行保険や留学保険とは内容が少し違うようですので、駐在者用のほうがよいでしょう。家族4人分で申し込むと結構な額になりますが、覚悟して必要経費と思うしかありません。
 エクセターには、AIG(AIU)の提携病院がありませんので、いったん自費払いで後で保険会社に請求しなければなりません。

海外子女教育振興財団

 海外子女教育振興財団では、各都市で海外の学校の説明会・相談会なども開催されています。ここでは、海外の学校事情や、日本人学校、日本人のためのサポートスクールなどの話を紹介してくれます。また、学校の転出手続き、日本にいる間に次の教科書をもらっておくための手続きなども教えてくれるので、時間の余裕があれば、相談会に行ってみるのをお勧めします。
 ちなみに現地校に入る場合は、英文の在学証明書(卒業証明書)や成績証明書が必要と案内されていました。(公立の小学校でも簡単に出してくれましたので、うちも準備して渡しましたが、なくてもよさそうな雰囲気ではありました。)また、予防接種の記録を記入するため、母子手帳を持参するのがよいようです。(これは確かにそうでした。母子手帳は英語も併記されていますが、日付が元号で書かれていることもあり、これは西暦に直しておくとあとで書くときに楽です。NHSの申請にもコピーの提出でOKでした。)詳しくは説明会に参加したり、問い合わせてみるとよいでしょう。

 渡航後、現地で次の教科書をもらうにはかなり早い時期(半年ぐらい前)に在英国日本国大使館への教科書申込書を送る必要があるようです。このときに申し込んでおくと、イギリス国内送料はかかりますが、日本からの送料はかかりません。うちはまだまだと思っているうちに終わっていたので、次の教科書はもうもらいもらいませんでしたが、ほしい人は渡航後すぐに手続きしておいたほうがよいと思います。申請時期が終わった後でも、日本からの送料が気にならなければ、後でも申し込みは可能なようです。ただし、教科書追加送付申請には、大使館まで出向く必要があるようなので、エクセターからだとハードルが高いです。

国際免許証 車保険関係

● 国際免許証
 イギリスで車を運転する予定のある人は、国際免許証を発行しましょう。有効期間は1年間ですので、1年以上滞在の予定の場合はイギリスの免許証に書き換える必要があります。(が、在外で1年以上いる人はいないでしょう。必要な方は在英国日本国大使館のページに案内を参照してください。)大事なのは、その期間中に日本の免許証の有効期限が切れないことです。また、国際免許証用の写真は、5 cm x 4 cmと大きめです。詳しくはこちら等で確認してください。また申請場所にもよりますが、即日発行が可能です。有効期限が発行から1年間ですので、即日発行可能なところで申請する場合は、なるべく日本出発日に近いほうが帰国ぎりぎりまで有効でよいと思います。

● 車の保険
 私は車を購入したテムズカーで紹介していただいたモーター一番というところで、車の保険をお願いしました。その時に準備しておくとよいものを書いておきます。
 日本で使っていた車は、保管をお願いしたり、処分したりすると思いますので、車の保険は中断手続をとると思います。イギリスで車保険をかける場合も、日本の保険会社の中断証明書(コピー)があれば、保険料の割引があります。ただ、中断証明書は中断されてから発行されますので、出国前ぎりぎりまで車を使っていれば間に合いません。うちの場合は、中断証明書を親戚に送付してもらい、そこからうち(イギリス)に送ってもらい、保険会社に提出しました。(保険会社に中断証明書の提出予定の場合は、とりあえず割引料金で保険を発行してもらえますが、30日以内に提出しないといけません。)

日本のテレビを見る

 初めはいらないと思って書いていませんでしたが、意外と需要があるようなので、私たちの対策を紹介することにしました。とはいっても、うちはほとんど大河ドラマとドラえもん専用という感じで、結局それほど頼りませんでした。
 最近のレコーダーは、スマホでの視聴などにも対応しているのですが、これは90日でペアリングが一度切れてしまいます。これは自宅でしか再設定できないため、1年間自宅に戻れない状況では使えません。またどうせ見るなら大きなテレビで見たいということで、いろいろ調べてみて結局うちで準備したのは、
 スティックPC
 Slingbox
です。(追記:Slingboxのサービスは2022年に終了したようです。)
 スティックPCは他にTVにつなげられるPCがあれば必要ありませんが、うちはTV付け専用機として、日本にいる時にSlingboxで視聴できるようにセッティングまで済ませて持ってきました。Slingboxは画面上のリモコンを操作しますが、どうしても反応が鈍く、慣れるまでコツがいります。全録機能があるレコーダーでも、番組表から探してみるのはとても大変(日本でするようにサクサクはできません。またリモコンは全録機用はまだ準備されていなかったため、一般用リモコンでの代用でした。)なので、見たいものだけ予約録画しておいて録画一覧から探す方が現実的です。とはいえ、十分な画質で見ることができるので素晴らしいです。(よい画質で見るためには、早い回線が必要です(200 kbps以上で大丈夫とありますが、余裕があるに越したことはありません。)。日本では、ADSLだと上り速度がやはりきついことが分かったので、光回線に切り替えてきました。イギリスでは、名目上100 Mbpsの光回線でした(でもWifi接続してたので、Max 54 Mbps)。これでも画質が落ちることがありましたので、込み具合によるのだと思います。
 日本のTVも、たまの楽しみとしてはよいかと思います。(特に初めのうちの子供には。)

 他にNetFlix等を契約していて、海外からもそれを見たい場合は、日本へのVPNが必要です。帰国してからBBCのiPlayer等を見たいときは、逆にUKへのVPNが必要です。有料ですが、それほど高くない(NordVPNの2年契約で月500円ぐらい)ので、このような予定がある人は、VPNを準備しましょう。フリーのVPNはいいのはなさそうです。